盆栽

ヘンリーの盆栽のレビュー・感想・評価

ヘンリー(1986年製作の映画)
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ラスト近くヘンリーとベッキーが逃亡するシーンで「多分俺も愛してる。ラジオ聴くか?」と尋ねるヘンリーに悲しくなった。

ビデオカメラが象徴的に出てくる。監督のインタビューで家庭用ビデオカメラが世に登場し、映画を志す若者は皆、好きなものが撮れて夢を形にできると信じていた(意訳)と語っていた。それを踏まえて本作の中でのビデオカメラの扱いを見るととても面白い。
本作の中でカメラが写すのは、ある家庭に押し入り、一家を無意味に皆殺しにするそれだ。そのテープを部屋で鑑賞するヘンリーとオーティス共々、本作の鑑賞者はそれを鑑賞することになる。
皮肉なことだけど、つまり、娯楽とは暴力をはらんでいる、と暗示しているのではないかと思った。それがこの映画の最も恐ろしい要素かも。

特に好きなシーンは
ヘンリーとオーティスが一家殺しのテープをもう一度見るシーンで、テープを巻き戻してスローで再生するが、その再生音のガッガッガッという音にBPMを合わせてメインテーマが流れるシーン。鳥肌が立った。
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