自分より格上で凶暴な怪獣ギャオスに対して必死に食らいついて戦おうとするガメラの献身的な姿は大人になっても感動する。様々な攻撃能力を持つギャオスと甲羅という防御能力を駆使して応戦するガメラの戦闘も見ごたえ充分で、鳥が亀の中身を食べるためにやる空中から甲羅を叩き落とすという攻撃方法でピンチに陥ってからの逆転劇が痛快。
人間サイドのドラマとのバランスも見事で、私欲に走っていた大人たちが怪獣の危機に対して一致団結するのもラストの後味を良くしている。さすがにギャオス対策本部に一般人が自由に出入りしていたりするのはいかにも昭和らしいと思ったりもするが。
中盤、弱点の朝日を浴びそうになったとき脚に食らいつくガメラへの対処法がクレイジーで強敵感を大いに醸し出す。そして足へ攻撃されるところといい狂気の暴れっぷりといい『ダーティハリー』のさそりっぽさも。
ラストに流れるガメラの歌(有名なガメラマーチではない)もなかなか味わい深い。
