ぱりぱり

秋日和のぱりぱりのレビュー・感想・評価

秋日和(1960年製作の映画)
4.5
定期的に小津さんの作品に返りたくなって、その度に思ってた以上の充足感がある

お節介大好きおじさまトリオは勝手すぎるんだけど、小津さん野田さん脚本陣と俳優さんたちの演技か人格(演技と人格の両方かな)のおかげで愛嬌があって、まあ許す...と現在の私が見ても思えるし、そういう人が多いのでは?!

小津さんは脚本はもちろん、セリフも一つ一つ本当によく考えてるなとは前々から思っていたけれど、改めてそう感じた
私は当時のことをよく分からないけど、こういう育ちの良い家庭で亡き旦那の友人と再婚するっていうのは今よりもずっと抵抗があったと思う
上から目線みたいになっちゃうけど、小津さんは本当に本当によく考える優しい人だったんだろうな〜

岡田茉莉子さん演じるゆりちゃんの魅力爆発
秋日和のお話自体からもいろいろ自分を省みて反省したり、自分もこうありたいなと思わせられるんだけど、
ゆりちゃんからもすごく学ぶところが多い
これから何回も見なきゃ
ゆりちゃんは一人で敵陣に乗り込んでいっても、相手の言い分もちゃんと聞くし、その勇気と冷静さを見習いたい
でも、そんなゆりちゃんを丸めこんじゃう方もなかなかやりますな〜笑

小津さんの映画に出てくる人たちって正義のヒーローはいなくて、悪口言ったり喧嘩して拗ねたり、私と同じ欠点のある人間なのに、雲の上の存在だなと思う
「まあ仕方がないか」と素直に思える適度な諦めと他人を受け入れる懐の深さ
この二つが小津さん映画の魅力を支える柱なのかも