ポンコツ娘萌え萌え同盟

宇宙への冒険のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

宇宙への冒険(1957年製作の映画)
3.0
草。『禁断の惑星』のロボットのロビーの人気にあやかって、彼が全面的に押し出された作品でもあるのに誰が銃向けられたり火炎放射機向けられるロビーの姿なんか見たいんだよw。
いわば本作は一種のキャラクターファンムービー的な側面もあるし、『禁断の惑星』のあれ程未知で高性能なロビーの姿を期待してるだろうからそれに答えるような作風にすればいいものの……監督は違えど脚色と制作は同じで頭抱えた。
本作における『禁断の惑星』の要素はロビー以外に大きな繋がりなく、ただ『The Invisible boy』という映画にロビーがロビー役として登場した、と思ったほうが腑に落ちる。だから未知の惑星や、SF映画の世界観を撮影した撮影とデザインを期待してみたら期待外れになる。本作にその要素はあまり存在しないから。現代が舞台だし。
ちなみに禁断の惑星はカラーに対して本作は白黒映画。

SF映画的芸術としての魅力は禁断の惑星にずいぶん劣るとはいえ、児童映画らしくワクワクする場面はそれなりにある。映像合成を使用して幾何学的なデザインした凧(これドローンだろ)にのってティム少年が空を飛んだり、特撮を使用して透明人間になってイタズラしたり…。現代にロビーが存在するという点が最早すでに夢が詰まった映画と言えるだろう。
透明人間のパートの特撮は特撮時代劇『透明剣士』に通じるような面白さがある。
特にそれが強く生きた場面が親の寝室の場面だろう。カメラを長く回しながらも透明人間的な演出を行う面白さは本作の一番の魅力だ。もちろん親の俳優さんの頑張りもあるだろうけど。

物語は少年ティムとロビーの関係と友情を描くところを魅力にしては、本作のロビー以上に魅力を放つ巨大コンピューターが暗躍しすぎてる。かと言って本作に少なからず『機械と心』をテーマとして含有しているが、それを語るとしても大雑把すぎる。
結局のところ本作の物語的な面白さは『禁断の惑星』を観て、『宇宙への冒険』にも存在したあるロビーの性質が途中狂うところにあるだろう。鑑賞者の前提として持つ知識の要素に反応する。禁断の惑星のロビーの扱いを期待してみたなら誰がそんな姿見たいんだよとは思うが。