kaorui

バードのkaoruiのレビュー・感想・評価

バード(1988年製作の映画)
4.0

圧倒的な構成力と密度感だ。どのシーンも厳粛な空気に満ちているのだが、音楽と生活に正面から対峙するがためにゆっくりと押し潰されていくバードの生きる姿を真摯に撮っているからだと僕は思う。
そんな中だからこそ挿入されるレッドロドニー達と南部を訪れるシーケンスは肩の荷が降り多幸感いっぱいなのだが、レッドですら薬に呑み込まれていく。修羅の道を歩み続けるジャズマン達。清き王道をゆくと思わしきガレスビーさえ心は血塗れなのだ。

困った顔をしてノソノソ動き回るフォレストウィテカーの風体はもうそれだけで実に映画的だ。
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