怖さよりも不快さ、悍ましさが全面に出た作品。チェーンソーの先行イメージしかなかったのでもっと血みどろの画面を覚悟していたが、恐怖描写やスプラッタ描写は案外示唆的な範囲に留められていて意外だった。
生理的嫌悪感を催させるのが上手い。死体や骨の散乱する部屋の中に一匹だけ残された生きた鶏。屠殺場の腐臭。一家の異常な精神性。派手さはなくジワジワと体力が削られるタイプの映画。
レザーフェイスの足が速いのが良かった。怪物に片足を突っ込んだゾンビ系統のキャラクターなのかと思っていたが、ちゃんと人間の動きをしていて、かえって怖い。女を家に引きずり込むシーンなどは生々しさにあふれていた。
でも一番怖かったのは冒頭のヒッチハイクのシーンですかね。勘弁してくれ。
ホラーを観るたびに思うが、こんな状況になってしまった場合最初の犠牲者になるのが一番楽そうだと感じる。痛みや怖さを感じる前にハンマー一発でほぼ即死だったわけだし。間違ってもサバイバーにはなりたくないものだ。