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悪魔のいけにえのvenom9のレビュー・感想・評価

悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)
4.0
悪魔でもなければ、いけにえでもありません。
よくあるホラーと一線を画してますね。
原題の「The Texas Chainsaw Massacre」は、「テキサスチェーンソー大量殺人」ですから、犯罪映画のニュアンスを感じます。
本作のレザーフェイスは「13日の金曜日」シリーズのジェイソンや「ハロウィン」シリーズのマイケル・マイヤーズの仲間と言えなくもないのですが、確か監督トビー・フーパーの語るところによると、牛や豚などと同様に人間が屠殺対象になったら?、という発想らしく、屠畜業を営むソーヤー家は業務の一環で人を屠殺しているわけです。もちろん極めて悪質な違法行為に違いありませんが、ある種邪悪さがないというか、仕事熱心というか、狙った演出と思いますが淡々としていて、快楽殺人者には見えないのです。その点、ジェイソン氏たちとはやや違うのかなと思いますが、私にとって本作が特別なものになっている理由でもあります(殺人を称えてはいません、念のため)。
レザーフェイスはじめソーヤー家の気持ち悪さは言うまでもありませんが、災難に至るまでの、犠牲となる若者たちの旅路、テキサスの僻地のジメジメと気色の悪いこと。
ソーヤー宅周辺や屋内の美術は、さぞキャリー・フクナガ監督作ドラマ「True Detective」(マシュー・マコノヒーが出てたやつ)の美術に大きな影響を与えたことでしょう。
(確か、U-NEXTで鑑賞)
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