となりのデルトロ

悪魔のいけにえのとなりのデルトロのレビュー・感想・評価

悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)
5.0
ホラーは結構慣れたつもりだったけど、これだけはいつまでたっても死ぬほど怖い!!
レザーフェイスに追いかけられるシーンのなんとも絶妙な距離感もめっちゃスリリングで怖いけど、この映画はなんでもないシーンでも雰囲気自体に禍々しさがある
そういうホラーは自分が知る限り「エクソシスト」とこれだけ
この映画は美術もとにかく神がかってるけど、個人的には音がとにかく不快で不快で不吉だった
チェーンソーの音、女の叫び声、鶏や牛の鳴き声、一家の男たちの笑い声(レザーフェイスの妙に幼い声が印象的)・・
全てが人の生理を逆なでする
この映画が一番素晴らしいのは
「お前たちの常識や倫理が通用しない世界もちゃんと存在してる」
ってことを教えてくれること
個人的に良いホラーってのはそういうものだと思う(ホステルも同じ理由で大好き)
例えばあの基地外一家の長男。
ホラー映画のキャラの癖に、うんざりした顔で俺は殺人が嫌いだとか抜かす
で、ヒロインが助けを求めると心から楽しそうに笑ってる
人間らしいところを描くことで、かえって根本的な「話の通じなさ」が際立ってくる
個人的にはこの辺が一番怖かった
車の中でおっさんが女をいたぶるシーンの何ともいや~~な感じとか理屈だけじゃ作れなかったホラー映画
ラストのレザーフェイスの妙な神々しさは何なんだ
こんなに「奇跡的」という言葉が似合う映画はホラーに限らずめったにない。やっぱり一番好きなホラー映画