好きな映画ベスト3に入る作品。
怖いながらも目を離せず、ジッと観てはあっという間に時間が経つほど魅入っていた。
絵が粗く暗い。のっけから心身の奥深くにまで嫌な恐怖を与えられ、何やらとんでもない作品が始まってしまったと身構えてしまうほど。洋画のホラーで初めてこんなにも恐怖を覚えた作品。
今思うとじわじわと音楽で恐怖心を駆り立てているわけでも、凝ったカメラワークで脅かしているわけでもなく、もっと怖い絵や、おぞましい表現を撮ろうと思えば撮れるはずのストーリーにあのバランスでここまでの怖さを出したことに物凄く感動した。
というよりこの絶妙なバランスだからこそ、これほどまでの恐怖を感じたのだろうなと思う。本当に凄い、この作品は。
玄関を開けて見える赤い壁が何よりも怖い。レザーフェイスが初登場して扉を閉めるまでのたった数秒のシーンは何年経っても忘れられない衝撃的な名場面。
朝日の逆光の中でとち狂う姿なんて狂気そのもの。追いかけるでもなく、次の作戦を練るわけでもなく、ただただ怒りでチェーンソーを振り回し続ける…これ以上ない極上のラストシーンだ。
後世にまで語り継がれるであろうキングオブホラーであり、伝説の最高傑作。こんな映画もう二度と現れない。無秩序型超重量級殺人鬼。彼以上に荒々しい恐怖なんて存在しないもの。