catman

警視庁物語 不在証明のcatmanのレビュー・感想・評価

警視庁物語 不在証明(1961年製作の映画)
3.7
1961年公開のシリーズ第15作。タイトルの『不在証明』の四文字には『アリバイ』というルビが振られている。本シリーズ初起用の監督である為か、取り調べ中に度々回想シーンが挟まれるのはやっぱり違和感を感じてしまう。撮影はセットが中心でロケが少ないのも残念。一方で計算されたアングルと人物の配置による拘りの絵面は雰囲気があってカッコいい。
捜査本部に貼り出す”戒名”を毛筆で書き上げ「出来たよ」といつもの様に飄々としている主任の神田隆、事件の鍵を握る重要な供述を取る最中にラーメンをすする山本麟一がツボ。金子刑事と林刑事の絡みが無いのは寂しいな。波島進のキャスティングは意外というか、過去作では刑事役としてエース級の活躍を見せた事もある役者をこんな風に使うのかと驚く。新人時代の千葉真一が登場、印象的な場面に度々出て来て東映に推されている事がよく分かる。そして今回も八代万智子がめちゃ綺麗。今やすっかりこの人のファンです。小宮光枝は珍しく地味な役柄。サスペンスフルな音楽は冨田勲。62分。
catman

catman