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続・夕陽のガンマン/地獄の決斗のMのネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます

南北戦争をアウトロー目線から描くことで、全てが滲み出るように、簡素に、感情的に纏まってるのが秀逸。賞金稼ぎという単純な欲で生きていても戦争状態は重い。ほんの少し感傷的な主役が見れるのが、他と違ってgood(善玉)と題された所以だろうか。

今回は前回は協力関係になっていたモーティマー大佐とは別人のエンジェルが主役サイドからは完全に悪玉として描かれたのが面白い。正味主役に協力を申し出ていればエンジェルも死ぬことはなかっただろうに、とちょい小物感がある味付け。

エンジェルよりももっと小物感のあるトゥーコは兄とのやり取りや独白で感傷を吐き出しつつ、馬鹿でどうしようもない悪党であるというキャラ付けが良かった。主役が一生トゥーコを信頼せず面倒くさい事をやらせ続けながら涼しい顔したのも良い。砂漠で歩かされたのを相当根に持ってる。(実際主役がトゥーコにやらせたのは“街から近い”緑もギリある陽に強いメキシコ人に砂漠を歩かせたのであって、主役がやる羽目になった砂漠歩きとは等分にならない)

序盤でトゥーコがありもしない事を主役置いてかれた際に叫ぶが(お前の母ちゃんはアバズレだ!等)、その嘘吐きのトゥーコが終幕に主役に「お前はgood(善玉)なんかじゃない!」という台詞は滑稽であり、然し乍ら他と違って女子供や一般人を無闇矢鱈に殺さないからと言ってアウトローであり決してバッドマンでは無い主役が善玉なのかという疑問も残す演出は素晴らしい。

第一作目と違いスケールがかなり広くなっても変わらず纏めきったのが憎い作品。
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