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ギルダのfilmoutのレビュー・感想・評価

ギルダ(1946年製作の映画)
4.2
ちょっとネタバレっぽくなりますが。


いやもう終わり方だけ納得いかない。
ギルダは全てを裏切ってジョニーさえも殺して逃げてほしかった。
それがファム・ファタールってものだろうと思うのだけど、このアンビバレンツな数々のセリフとリタ・ヘイワースを見るだけで良いか、とも。
「フィルムノワールと言えば」の中に入ってくる作品なのでこの女優が動いているのを見るだけで本望。

ギルダとジョニーの間の過去が描かれそうだがそっけなく二人が喋るくらいで、マンスンも観客も本当は二人の過去を詮索したくなるのだが映画は未来へ突き進む。
これは男に搾取されるギルダ自身が反抗にもがく映画でもあり、「だったら悪女になってやるよ」とでも言わんばかりの開き直りや、それでも愛してしまうという葛藤が暴れまわっている。
ギルダは本心とは逆の事を言葉にしている。
となると「ファスナーは苦手」というセリフもストレートに受け取りにくく、本心ではその言葉は男に対する反抗のようにも受け取られる。


リタが煙草の火をもらおうと「gotta light?」と言うけど、デヴィッド・リンチが『ツイン・ピークス リミテッド・イベント・シリーズ』で何度も繰り返している。
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