今夜の月はやけに大きくて
望月とはまさに、
いま懸かっている月のことを云うのでしょうね。
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『マルホランド・ドライブ』で
ルース叔母の家に飾られているのが本作のポスターで、
ローラ・ハリング演ずる記憶をなくした女性が
このポスターを見てリタと名告るシーンがあります。
また『ショーシャンクの空に』でも作中で
本作が上映されるシーンが出てくることは
つとに知られています。
ことほど左様に、ギルダのリタ・ヘイワースは
格別な存在であるようですが、
その理由の一つは、偽悪的に振る舞って
男心をもてあそぶ悪女を装いながらも
実のところはひとりの男に心を残している、
と云う一途さにあるのであろうと推察します。
かたやその想われびとのジョニーは
自暴自棄の流れ者として身を持ち崩すところを
当地のカジノのオーナーに目をかけられ
その右腕として頭角をあらわし、
そんな中ひょんな事からギルダと再会を果たします…。
ふたりの過去に何があったのかは、
観客には明かされないままで
ふたりの胸中を互いに打ち明けられないもどかしさ、
ゆき違いの描写で観客を終盤迄ひっ張っていきます。
はたしてふたりの思いのゆく末は…。
筆者のようにせっかちでいざこざは避けたい派からすると
何もそこまで互いにこじらせなくても
と思ってしまいます。
ジョニーもひと廉の副支配人として一目置かれる存在でありながら、
浮わついたところがなく、身持ちが堅いところに好感がもてますが、
それゆえにこそギルダの人目を惹くまばゆい輝きに対して、
平静ではいられなくなったのかもしれません。