一人旅

ギルダの一人旅のレビュー・感想・評価

ギルダ(1946年製作の映画)
3.0
チャールズ・ヴィダー監督作。

E・A・エリントンの原作を基にしたチャールズ・ヴィダー監督の代表作で、1940年代のセックスシンボルとして人気を博したリタ・ヘイワースが妖艶な人妻を演じます。撮影はカール・ドライヤーの『裁かるゝジャンヌ』(1928)等を手掛けた名カメラマン:ルドルフ・マテ。

1940年代の南米ブエノスアイレスを舞台に、アメリカからやってきたイカサマ賭博師の青年ジョニーと、彼の雇い主であるカジノオーナーの男マンスン、そしてマンスンの妻でジョニーの元恋人である人妻ギルダの男女3人の三角関係のゆくえを軸に描いた“愛憎サスペンス”の佳作となっています。

女への憎しみと表裏一体となった強い情愛の発露に揺れる青年の複雑な心情の推移を、雇い主への忠誠心と妖艶な人妻の色香の誘惑の狭間における青年の葛藤心理を軸に映し出した男女愛憎劇で、希少な資源の独占権を巡る国際的な攻防という二次大戦の緊迫した情勢を作劇に採り入れています。

主演のグレン・フォードが愛と憎しみの狭間で揺れる青年を妙演していますが、それ以上に、彼の相手役を務めたリタ・ヘイワースの妖艶な美貌が鮮烈な存在感を放っています。
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