佐藤克巳

銀座の恋の物語の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

銀座の恋の物語(1962年製作の映画)
5.0
脚本が山田信夫に加え熊井啓の名に驚き。負傷から復帰し転機だった石原裕次郎の会心の一作となったが、浅丘ルリ子の、健気で可愛い恋人が記憶喪失を脱していく表情の変化を巧みに表現した演技力が勝る。この作品から浅丘と蔵原惟繕の傑作群が生み出されて行くのだが、本作こそ、日本映画史上最高のラブロマンスだ。ジェリー藤尾が屈折した音楽青年を好演。江利チエミの歌の上手な婦警が、有名な主題歌と相俟ってミュージカルの効果を産んだ。更に、当時の華やいだ銀座の街が雰囲気を盛り上げ郷愁を誘った。
佐藤克巳

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