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レイン・オブ・アサシンのカントのレビュー・感想・評価

レイン・オブ・アサシン(2010年製作の映画)
4.0
香港台湾ワイヤーアクション武俠系。『TSUTAYAだけ』シリーズ初期の名作。

『TSUTAYAだけ』シリーズは「キック・アス」「ルーム」「セッション」など、ごく稀に大傑作も有るけれど……大概はB級。そんな中で本作は武俠物の隠れた名作。原題「劍雨」

▼西暦5世紀、禅の開祖で、武術の究極の奥義を極めた達磨大師(←設定が既にファンタジー)
6世紀になり達磨の遺体は上下2つに分かれた。遺体を上下揃えれば、どんな願いも叶うと言う。

上半身の遺体を持つ張海端と張人鳳の親子。暗殺集団『黒石』の手により殺害され、達磨の遺体は強奪された。
▼黒石の精鋭、女剣士の細雨(シーユー)、強者の雷彬(レイピン)、仙人綱の彩戯師、そして首領の転輪王。
▼しかし細雨が裏切った!女剣士の細雨は、四十一路辟水剣の使い手。彼女は整形手術で顔を変え、名を曽静(サンジン)と変えて静かに京城の都に潜んでいた。(ここまで5分😅スターウォーズの長文スクロール並みに箇条書きの設定紹介)

▼曽静の潜む町に居る配達人の阿生(アシャン)
阿生は、曽静の美貌に惹かれ猛アタック。根負けした曽静は阿生の申し出を受け入れて2人で静かに暮らし始めた。
黒石の刺客、葉綻青(イェ・シャンチン)
美麗な容貌に反して残虐な性格。

▼銀行強盗事件に出くわした曽静と阿生。思わず本気を出した曽静の力に、暗殺集団の黒石が気付いた。
銀行強盗の狙いは、達磨の下半身。
黒石の首領、転輪王の企みと正体は?曽静(細雨)は、黒石の刺客から逃れられるのか。

▼ボンヤリしている阿生だけど当然ながら阿生も只者ではありません。
皆の正体が出揃った後のドラマこそ秀逸。
▼曽静と阿生の恋愛シーンに「500年の石橋」の例えが登場します。
仏説の阿難の故事に由来していて、その切ない物語が幾度となく語られます。仏教では500年を1つの時代と捉えていて「五之五百歳の初」など5つの500年の時代に、それぞれ名前が付いていたりします(アタラクシアの猫は、民間の仏教検定の教授😊✌)
「500年の石橋」が、とても良い。

▼首領の名を未来世の仏教指導者、転輪王に準えたり、達磨のミイラでワチャワチャしたり😅色々と興味深い点の多い作品でした。
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