ぐりこ

JOY DIVISION ジョイ・ディヴィジョンのぐりこのレビュー・感想・評価

3.0
少し前から映画作品を通してUKロック史を履修している。『24 Hour Party People』からのつながりでIan CurtisとJoy Divisionについて。

伝説のバンドの名を冠したこの作品は、バンドメンバーや関係者が当時を語るドキュメンタリー作品になっている。欧米のインタビュー系ドキュメンタリーってわりと全部同じパターンでおもしろくはないんだけど、、、それでも僕ら遡及世代にとっては大変貴重な教材だ。

最初に描かれるのは24h PPと同じく1976.6.4のピストルズの伝説のギグ。
Joy Divisionの前身Warsawの結成から、Joy Divisionへの改名、「Unknown Pleasures」、バンドの成功とイアンの持病てんかんの悪化、女性問題、うつ病、「Closer」、そして最後に描かれるのはイアンの自殺。
これを関係者の証言で淡々と綴っている。


印象的だったのは、2つ。

・イアン自殺の報をメンバーや関係者が実にすんなり受け入れたこと。
いつかその日がくると覚悟していたのだろうし、それぞれが心の準備をしていたのだろう。イアンへの深い理解でもあるし、哀しい諦念のようでもある。
葬儀に行かずにファクトリーで『Great Rocknroll Swindle』を観た者、パブにいった者、コテージでJDのアルバムをずっと流してたという者、、、そして葬儀参列者の「じゃあまた月曜に」という別れ方。ここらへんはものすごく重たいリアルを感じる。
こういう日がくることがわかっていても、バンドを止めることはできなかったんだなぁ…

・マンチェスターの住人がJoy Divisionについて問われて「これが我々の環境音楽」と言ったこと。
どうやら陰鬱な街なのだ。
これはやはりマンチェスターに行って確かめなければならない。


P.S. New Orderの来日公演、キャンセルになりませんように。どうか。
ぐりこ

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