名匠ビリー・ワイルダーのロマコメ。
ネバダ州の田舎町クライマックス。嫉妬深いピアノ教師が、自分の曲を売り込もうと、妻を一晩追い出し、街を訪れていた人気歌手を家に泊める。
「男のいない女なんて、車のないトレーラーと同じよ。」
ビリー・ワイルダー監督は好きな監督なのだが、本作はどうも好きになれなかった。時代が時代だったのかもしれないが、女好きの人気歌手を接待する為に、セクシー美女を妻役に雇うという設定は受け入れ難いものがあった。
同じく娼婦を題材にした艶笑コメディ『あなただけ今晩は』は笑いに振り切っていたので楽しめたが、本作はシリアス寄りのドラマだったので乗りづらかった。モノクロ映画ということもあり、ロマンチックな話ではなく、陰気で鬱な話にしか思えなかった。ビリー・ワイルダー監督らしいシチュエーションコメディとしての巧さや、粋なセリフ回しも不発気味かと。
『リオ・ブラボー』のディーン・マーティンと、『めまい』のキム・ノヴァク。監督の構想上のキャスティングは、シナトラ、モンロー、シャーリー・マクレーンだったらしい。シナトラならマッチョ感が軽減され、作品のイメージがガラッと変わっていたかも。
エリーゼのために♪🎹。くしゃみで妻のへそが飛ぶ。ビートルズ全盛期。
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