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ねえ!キスしてよのadeamのレビュー・感想・評価

ねえ!キスしてよ(1964年製作の映画)
2.5
イタリアの戯曲を基にしたビリー・ワイルダーのラブコメディ。
売れない作曲家で嫉妬深い夫、彼を愛する美しい妻、アクシデントと企みにより夫婦の家に一泊することになった女好きの人気歌手、妻の代わりに歌手を誘惑することになる娼婦が奇妙な噛み合わせを見せていく物語です。
ディーン・マーティンとキム・ノヴァクも好演でしたが、レイ・ウォルストンのパワフルなキャラクターが完全に物語の中心となっています。
その夫の暴走ぶりが笑いどころなのは間違いないのですが、一方で本来物語の中心に据えられるべきは利用される者同士の両者だった気がします。
夫の感情変化の描写が雑にも関わらず進行の原動力であり続けるために、作品自体に強引な印象を生んでいます。
公開当時は下品で社会に悪影響と批判されたそうなので難しかったのかもしれませんが、結末も丸く納めるよりもっと辛辣なものを期待してしまいました。
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