フィンランド北方の町でトナカイ猟と解体販売で生計を立てる父と暮らす少年ピエタリ。人里離れたその場所ではある企業の指揮の元、かつて封印された本物のサンタクロースの発掘作業が行われていた。そしてクリスマス当日、地元の子供達が次々と失踪し…というストーリー。
TSUTAYA独占レンタルのフィンランド産のクリスマスホラーコメディです。クリスマスなのでクリスマスホラーをと思いチョイスしました。
フィンランド北方の田舎町の国境近くにある山で多国籍企業の社長によりその山に封印された本物のサンタが掘り出されようとしており、時を同じくして町ではトナカイの大量死や子供の失踪など不可解な事件が起き、サンタを恐ろしい存在と信じ不安な夜を過ごしていた少年ピエタリは、サンタの仕業と思い町を救う為勇気を持って行動するという内容です。
主人公の少年ピエタリが町の危機に遭遇してそれを止める為勇気を出して立ち向かい成長していく姿を描いたり、全体的にジュブナイル向けの作りにはなっていますが、最初の方でオオカミ用の罠に餌として豚の生首吊るしたり、豚の解体作業したり結構肉肉しい映像流れたり、股間にボカシありの全裸の汚い老人集団が現れたりと子供向けとは言えない映像も流れます。
トナカイの大量の死体が転がってたり、子供が消えて代わりにベッドに不気味な木彫りの人形が寝てたりオオカミ用の罠に得体のしれない老人がかかってたりと不穏な空気が漂いますが、それに対する大人たちが妙にアホっぽい感じでゆるい空気が漂っています。採掘現場の作業員達が襲われてヘルメットだけが次々転がってくる所とかはホラー感漂いますが。
後半で全裸老人が次々暗闇の中に現れて斧やツルハシ持って走ってくる所は怖すぎて笑っちゃいました。直接的な人死に描写ないかなと思ってたら社長は普通にツルハシ頭に突き立てられて死にましたね。この老人たちは正確にはサンタじゃなく使いの妖精みたいですが、えらく汚らしい妖精だな(笑)巨大なサンタは氷漬けになっていて最後まで全体像見せませんが、巨大な二本角からしてクランプスなんだろうな。
初めは臆病な感じだったピエタリが、大人たちが話聞こうとしない中銃ぶっぱなして注目集めさせたり、作戦考えて指示を出して行動起こしていく姿はジュブナイル物の王道な展開で良かったですね。最後も自分を犠牲にしようとしたり男前すぎるぞ。
囮の袋詰めになった子供達を運ぶヘリコプターにぶら下がり歓声あげるピエタリとその真下で大量の全裸爺さんたちが追い掛けてくる真逆すぎる絵面は思わず笑ってしまいます。
最後にタイトルの意味が解るラストも良かったですね。皆ちゃっかりしてルナ(笑)
ファンタジーさとブラック・ユーモア、ダークホラー全てが混ざってどれでも無い様なへんてこりんな作品ですが、妙に魅力があって楽しめました。
