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セルラーのRのネタバレレビュー・内容・結末

セルラー(2004年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2005年のアメリカの作品。

監督は「スネーク・フライト」のデヴィッド・R・エリス。

あらすじ

化学教師のジェシカ・マーティン(キム・ベイシンガー「フィフティ・シェイズ・ダーカー」)は突然、自宅に押し入ってきた男たちに誘拐され、ある家の屋根裏部屋に監禁されてしまう。ジェシカは屋根裏部屋で粉々になった電話器の部品を組み立て直し、発信を試みると、たまたま繋がったのは見ず知らずの青年ライアン(クリス・エヴァンス「ナイヴス・アウト 名探偵と刃の館の秘密」)の携帯電話だった。

Netflixにて。

個人的に大好きなデヴィッド・R・エリス監督作品。エリス監督といえば「ファイナル・ディスティネーション」シリーズのいくつかやサミュエル・エル・ジャクソン主演のとんでも映画の「スネーク・フライト」などいい感じのジャンル映画をたくさん撮ってた監督(2013年没)で、その中でも本作はサスペンス映画としても評価が高く、監督は知らなくても本作は観たことがある人も多いのではないだろうか。

で、本作なんだけど言ってしまえば「人質救出もの」。なんだけど、面白いところは人質となっているキム・ベイシンガー演じるジェシカがなんとかSOSを発信した相手が何の関連性もない一般ピーポーの青年ライアンというところ。

しかも、それを演じるのがまだバリバリ若手のキャップことクリス・エヴァンス!!マジで四六時中ナオンのことしか考えてないよーなチャラい男なので、ジェシカから電話がかかってきてもはじめはイタズラだと思いふざけ半分で付き合うことになるんだけど、段々と状況が切迫した「ガチ」の状態だということがわかると彼なりになんとかジェシカを助けようと奔走することになるからまた面白い!!!

しかも、この頃はまだ今の技術ほどの携帯技術も発展してないので、階段を上がろうとすると電波が悪くなってしまうので、2階の警察署に行けなかったり、電話中にこれが本当の騒音おばさん的な奴やリア充自慢のいけすかねーリーマンが混線してしまったりとその「不便さ」がまたサスペンスに拍車をかけていく。

また、その時のライアン自身も危ない運転をしての「安全第一」だったり、散々ながら運転をしながらの「携帯切れよ」などいちいちセリフもウィットに富んでいる。

で、ジェシカを助けようとするあまり、どんどん危険な方向に進んでいくライアンはテレビ報道で取り上げられてしまったり、警察に追われてしまう、まさに孤立無援の状態になってしまうんだけど、唯一、ライアンの行動を不審に思った奥さんが健康志向のロートル警官ボブ(ウィリアム・H・メイシー「ふたりのトランジット」)もその後を追うんだけど、こちらもおじさんながら引退を撤回しての大奮闘。

また、警官といえば、後半ジェシカ襲撃犯たちの正体がまさかの警察官だったってオチなんだけど、その主犯格を演じているのが、まだ主演作が少なかった時代のみんな大好きジェイソン・ステイサム(「キャッシュトラック」)!!今作ではそのコワモテ本来のドスを効かせた演技がたまらなく怖くて、当たり前だが優しさは一切なし、コメディなしのどシリアスな悪役を演じており、今のイメージで観るとなかなか中新鮮だった。

終盤、そのステイサムに追われてのライアンが階段を駆け登る時にかかる挿入歌もなんかヒロイズムに溢れてて本作の白眉となるかっこいいシーンとなってたなぁ。

で、まぁずぅ〜と面白いわけなんだけど、ツッコミポイントとしてはジェシカがハイスペックすぎってこと笑バラバラの状態から電話を組み立てるのもそうだけど、いくら化学教師とは言え、5本しかない上腕の動脈を瞬時に切るって殺し屋かよ笑!!まぁ、そこも面白いんだけど。

ラスト、全てが一件落着した後のジェシカに対しての「もう俺に電話しないで」の一言もちゃんとオチがついてて笑った。

と、そんな感じで「縛りプレイ」のシチュエーションサスペンスといった感じなんだけど、まだパンピーのエヴァンスのなんだかんだこの頃から市井のヒーローだった勇姿を堪能できる意味合いでも普通に面白いのでオススメです!
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