ラストを除き、良くも悪くも原作に忠実で、テキストをなぞる以上のものを映画から見つけることができなかった。
また、意識の流れ的なナラティブにしようとしてるだろうけど、それがあまり巧く出来ていない為、若干とっ散らかってる印象を受けた。
ただ、パレスチナ人作家のパレスチナ難民を扱った文学作品が、シリアの資本でエジプト人の監督によって作られたこと、
アメリカでリマスターされたものの、劣化が相当に酷いフィルムを、それでも買い付けて、映画が作られた50年後のいま、あえて日本で劇場初上映されたことがなんとも数奇に感じられて、感慨深い。
映画そのものより、パレスチナ情勢をめぐる文脈の中ですごく意義を感じる作品だった。