三四郎

砂漠の鬼将軍の三四郎のレビュー・感想・評価

砂漠の鬼将軍(1951年製作の映画)
2.0
イギリスやアメリカといった敵軍から称賛され、英雄扱いされるというのが凄い。しかも、この映画は、戦後わずか数年で敵国アメリカが製作したのだから…、一体どんな立派な軍人だったのかと思わずにはいられない。高校の世界史の先生がロンメルを「砂漠の狐」と呼び、「名将」だと熱く語っていたのが忘れられない。

しかし、この映画を観て感じたのは、いや、かなりひねくれた見方をすれば、英米軍の敵であるドイツ軍の陸軍元帥を「名将」「英雄」と報道しなければ、自国民から「戦争を長引かせてただの弱い者いじめをしているだけ(していただけ)」のように思われる…という心理が英米軍および英米の上層部に働いたのではないだろうかと思ってしまった。つまり、ドイツ一国の為に英米の総力を結集しなければ勝てなかった、それほどドイツは強い(強かった)と故意に印象づけさせ、己を正当化する必要があったのではないだろうかと…。自分で書いておきながら、かなり極端な意見を言っているのはわかっているけれど…笑
この映画を観ながら、「陸軍分列行進曲(抜刀隊)」の歌が私の頭の中で鳴り響いていた。
~敵の大将たる者は 古今無双の英雄で~

さて、1970年代までは、欧米および日本において「名将ロンメル」論はほぼ定着していたが、1970年代以降、欧米の軍事史家などによって、ロンメルの軍人としての資質や能力について、当時の資料などを基に再度検証されるようになったそうだ。
その結果、現代の欧米軍事史では、ロンメルは軍人として戦略的視野や高級統帥能力の面で欠けるところがあったが、戦術的な次元では有能な指揮官だったという評価が定着しているとのこと。
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