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別離のRのネタバレレビュー・内容・結末

別離(2011年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

様々な人物視点に立って、共感と懐疑と怒りを感じながら没入出来る映画が好きなのだけど、別離はまさにそういうストーリーだった。
あんなに辛く悲しく、目が離せないエンドロールは見たことがなかった。

家族全員が、愛する人を守りたいというエゴと虚勢から些細な嘘をつき、それがすれ違い、衝突して状況を大きく、最悪にしていく様が観ていて辛かった。特に、テルメーが父に真実を語ることを説いていたのに、父の為に嘘の証言をするシーンは本当に悲しかった。この映画で1番真っ当な考えが出来る純粋な人間は彼女だとも思った。

イランの映画であることから、イスラム教の教えを絶対的に守る場面が多く見られて印象的だった。離婚率や介護問題などの社会的な側面を題材として取り入れていることを知り、イランという国がどれだけ映画制作に厳しい国かは知らないけれど、ただのドラマではなく攻めた社会派映画でもあったのだなと、観終わって色々考えるうちに感じた。
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