ベルベー

別離のベルベーのネタバレレビュー・内容・結末

別離(2011年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

激重。決して劇的ではなく、一般的に(日本でも)起こりうる範疇の悲劇と憎しみ合いなのが激重。宗教が生活に根差している背景が大きな要素になってはいるが、その根幹にある差別や貧困、見栄などは全世界共通なのでは。だからキツい。

誰が悪いという話ではないというか、全員悪いという意地悪な結論になる他ないのだけれども、でも最後の最後でちゃぶ台ひっくり返した流産したラジエーが一番胸糞悪かったな…。彼女にも事情があるとはいえ、ずっと嘘ついてたくせに宗教がーってそりゃなくない!?逆ギレじゃんと腹立たしく思った。

しかし、誰に一番腹が立つか、誰に一番共感できるかが観る人によって違うだろうことが本作の面白さかもしれない。自分は何が何でも閉塞した結婚生活から抜け出そうとするシミンに共感したが、人によっては彼女こそ一番悪いと思うかもしれない。全部人のせいにするナデルも、すぐに激昂して周囲を困らせるホッジャトも、みんな悪い。可哀想なのは、そんな大人の醜悪な面を真近で直視してしまった娘たち。重い結論である…。
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