恵斗

別離の恵斗のネタバレレビュー・内容・結末

別離(2011年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

格差、介護、離婚、宗教。
イランの二組の家族間に起こった事件。
みんなが少しずつ小さな嘘を重ねて行き、どんどん追い詰められていく。

この映画は基本的に観客に想像させて任せるスタイル。
示談の行方、娘の選択、流産の原因。
ストーリーの絡ませ方や想像させることで引き付ける手法がうまいと思う。

まず感想としては、出たな宗教!!
老人の男性の身体を洗ってもよいか、確信が持てないのに示談金を貰ってもよいか、など、いちいち聖職者に確かめるラジエ。
彼女の人生の中枢は神の教え。
コーランに誓うということの重み。
ホッジャトの今より不幸があるか!俺と娘を憐れめ!という叫びに共感。
生活や夫のことを抱えて大変なのはわかるけど、終始イライラ。
ナデルもプライドが高すぎて、娘にまで嘘をつかせて…。
法廷は基本怒鳴り合いでうるさい。

誰が悪いわけでもなく、みんなが生きることに必死で、やるせなさが残る。
娘達がほんとうに可哀想。

「もとはといえば、お母さんが出ていったのが悪いんじゃない」
娘の本音。
たしかにそう。
恵斗

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