不在

狼は天使の匂いの不在のレビュー・感想・評価

狼は天使の匂い(1972年製作の映画)
3.4
男とは他人を殺すことはできても、自身の内なる子供を消し去ることはできない生き物である。
ここに出てくるギャングの一味はといえば、下らない遊びや賭け事に興じてばかりいる。
そんな彼らにとって盗みや殺しというのも、そういった遊びの延長なのだろう。
仲間と共に命懸けの"ミッション"に挑む自分に陶酔し、酩酊しきっている。
馬鹿げているようにも思えるが、彼らはそれを生涯貫いた。
大人としてではなく、子供のまま死を迎えることを選んだ男たちの姿は、どこか瑞々しさすら感じてしまう。
不在

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