桔梗F

狼は天使の匂いの桔梗Fのレビュー・感想・評価

狼は天使の匂い(1972年製作の映画)
4.7
何ものかに追われている主人公トニー(ジャン=ルイ)が偶然殺人事件を目撃してしまい犯人グループに捕まる。 
老ギャングのチャーリー(ライアン)をリーダーにファミリーを形成する犯人グループ(^-^)
犯人グループも何か大仕事を計画している。いろいろあり主人公も仲間に…

ノワールというより『不思議の国のアリス』になぞらえた大人の寓話的お話(^^)

40年前の映画だが、DVD化で高画質っぷりが素晴らしい!劇場版より長尺の完全版らしい。

『ワイルド・バンチ』で怪演にロバート・ライアンは病をおしての名演を魅せる(;_;) 撮影終了の年にこの世を去り、こちらが遺作に(T-T)

伝説のぶっ飛び!マカロニウエスタン『殺しが静かにやってくる 』では一言もセリフなしに表情だけで主演をはったジャン=ルイも名演(^^)d

主人公と三角関係!?ダブルヒロインに、料理上手で大人の艶やか満載のレア・マッセリ(色気ムンムンΣ(゚Д゚))、銃乱射ぐせがあるが可憐なティサ・ファロー!(後のホラークイーン?である(笑))

主要登場人物のファミリー+主人公は、犯罪グループなのだが、やってることが子どもっぽい(^-^
レア・マッセリのシャワーシーン覗いたり、みんなでゲームに熱中したり、何でも賭けたり(^-^;犯罪ものですが中盤はにやりと( ̄▽ ̄;)

登場全員のキャラがそれぞれ過去を持ち、夢を持ち、個性たっぷりで見事にキャラたっており,ぐいぐい感情移入させられます(>_<)

ノワール映画で、登場人物たちに子ども心を持たせる手法は間違いなくジョニー・トー監督に多大な影響を与えてるはず(..)作りが似てる(^-^)

謎に映像美に友情に恋にフランシス・レイの素晴らしい音楽にク レマン監督の映像マジック! 

そして…切ないラストへ(TT)終盤はずっとフランシス・レイの悲しく美しいメロディが、これでもかと流れるので、ラストは誰しも大体想像つく(T-T)

一見、関係なさそうなシーンやカット、小物、セリフの数々がラス トまでに全て繋がります(;_;) あまりの無駄のなさに驚愕 …

小物も重要アイテムで、至るところに「不思議の国のアリス」関連ものが(*^^*)見つけるだけで楽しい(^-^)
特にビー玉とチェシャ猫は映画最初と最後にリンクするという…

ちょっと文学的な面もあり、これ犯罪もの?と、とまどったり、物足りなさを感じる人も多そうだが、大好きな映画である(^-^)

個人的には主人公とダブルヒロインとの恋の展開をもっと観たかったな(*^^*)
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