終戦直後より高度成長期に至るまでの道のりを漫画家・辰巳ヨシヒロの少年時代から青年期、そして現在に至るまでの日本の様子を、本人の短編5作品を交えながら描いたアニメーション映画。
辰巳ヨシヒロという方は、漫画の劇画というジャンルの開拓者らしくて、『ガロ』などに連載していたらしい。内容も完全に大人向けだった。
戦後の陰鬱とした雰囲気がよく描けているけれど、作中でも「作り物は嘘に近いですからね」と本人が言っているように、どこまでリアリティを持って見ればいいのかはよく分からない。
ただ、今の漫画家には描けないだろうなー、と思うような短編ばかりで、色々と圧倒された。こういう才能を漫画だけでなく、映画という形で残せたのは素晴らしいことだと思う。