van

ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録のvanのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

狂気を題材にした映画の過程が、一番の狂気!

撮影秘話に事欠かない作品の裏側を、実際のフイルムをおりまぜながら、余すところ無く楽しめます!

現地の軍の協力不和や自然のトラブルは、これはしょうがないなと思えます。

しかし、ラリって台詞を覚えられないデニス・ホッパーや、ブクブクに太って現れて文句ばかりのマーロン・ブランドなど。

都市伝説と思っていたエピソードが、事実だった事に驚きでした。

挙げ句の果てに主人公のマーティン・シーンが心臓発作で生死を彷徨い、監督も心労で倒れるなど、トラブルは続きます!

億万の資材を投げ打って、ようやく完成された過程には、万感の想いが募ります。

作中の言葉に出来ない狂気の一片は、映像に映らない筈の監督の心理を的確にとらえ、作品に見事に昇華しています!

「前半満点、後半0点」

そう揶揄される「地獄の黙示録」です。

しかし、この作品が人間の内面の奥深く、絶望と狂気が渦巻くゼロ地点にまで登り詰めた事を証左する、貴重なドキュメンタリーだと感じました!
van

van