明石です

仮面学園の明石ですのレビュー・感想・評価

仮面学園(2000年製作の映画)
4.2
ある日突然、不登校の生徒が仮面をかぶって登校してくる。仮面を被れば手軽に別人になれることから、仮面を被った生徒が増殖。街中で大流行し、しまいには仮面集団による暴動や殺人事件へと発展するお話。

主演は藤原竜也こと伊藤カイジ。当時19歳の彼が演じるのは仮面職人の青年。仮面流行の糸を裏で引いてそうなフィクサー的立ち位置で、なおかつ全ての謎を解く鍵を握ってそうな強キャラ。デビュー2作目にして圧倒的な存在感…それほど二枚目ってわけじゃないはずなのに、どうして藤原竜也はこんなに格好いいのでしょうか。やっぱり演技力?それとも声?オーラ?そして10代の頃からほとんど見た目が変わらない不思議笑。

本作の私的お目当ては当時15歳の栗山千明。彼女のキャリア3本目の映画ですが、仮面をしてても美少女オーラは隠せない模様。ラストで仮面を取って素顔を晒したとき、お顔が尊すぎて胸が苦しくなったのは内緒。叶うことのない初恋みたいな甘酸っぱい感情を抱かせてくれる神話少女。。今作ではカイジの妹役として出演してましたが、40分ほど経ってからようやくご登場。モデル出身の(スタイル抜群でお顔も綺麗な)ヒロインを食い殺すほどのインパクトを残してました。しかし前年公開の『死国』のイメージからでしょうか、本作でも台詞は少なく神秘的というか、どこか得体の知れない幽霊のような役回りでした。大好き。

いじめられっ子の生徒たちが仮面の魔力から抜け出せなくなり、匿名化し暴徒と化していく展開は素敵。仮面によりアイデンティティが失われた結果、集団と個人の境が薄れていくあたりは『光る眼』みたいな気味悪さがあって良い。SF等の要素は絡まず、あくまで現実に則したカルト宗教的狂気によって集団ヒステリーが引き起こされる話、シンプルだけど好きなのです。

しかしこんな(一般的に出来が良いとは言えない)映画でも、しっかり脇役で味を出してる大杉漣と渡辺いっけいは流石でした笑。全体的に役者さんの演技が学芸会レベルな中、しっかりと締めてくださる名優のお二方。脚本は荒いし細部の論理づけは甘々だと思うけど、力のある役者さんが重要な役に関わっているのと、先ほど書いたような大枠のストーリーがけっこう好みなので飽きませんでした。あとエンドロール後にひっそりと用意されてるコミカルなエンディングも楽しくて好き。続編があったら間違いなく見てました。

とりあえず栗山千明×藤原竜也のバトロワタッグは最高でした。まだお顔に若干あどけなさを残す千明様が、ため息が出るほど美しかったので☆+1.0してます。
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