スラム街に居住する貧困層の黒人少年が、貧しい家庭を助けるべく、泥棒の危険な宝探しに加担してしまう。ビックリハウス系を踏襲している、ホラー・コメディ。
貧困層の黒人少年に焦点を当てているところが最大のポイント。暴利を貪る土地の所有者(白人夫婦)との対立構図が、主人公への感情移入を促し、カタルシスを牽引してくる。一見では精神面に訴えかけてくるオカルト路線のようだが、中身は別物になっている。
「土地所有者の屋敷がヤバイところだった→サイコな夫婦に追われる→警察が気づくかどうかのサスペンス」という作劇。今では使い古しのパターンだが、少年による探索劇と脱出劇が単純に面白いし、結末が見えないため、鑑賞意欲が下降することはない。
とにかく、屋敷主人のサイコパスぶりがあまりにも愉快であり、彼の一挙手一投足に中毒性が備わっている。そのキャラクターは、日本語吹替が青野武という時点で御察し。映画の中で、頭のおかしな人を見ることほど、楽しいことはない。