やぁま

キャスト・アウェイのやぁまのネタバレレビュー・内容・結末

キャスト・アウェイ(2000年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

チラッとあらすじ読んで、無人島に漂流した男が知恵と体力を振り絞って困難を克服しながら生き延びる系の良くあるサバイバル映画かと思って見始めたけど、ラストで無事助かりました!ハッピーエンドー!で終わらないっていうのが妙にリアル。
もう、しんどい、、しんど過ぎる、、、
実際に無人島での出来事が作中7,8割を占めてるけど、最後まで見終わってみるとこの作品の見どころは救助された後の話に全て詰まっていて、無人島での話はそれらの前置きに過ぎないのだなと思った。
そして相変わらずトム・ハンクスの演技力には脱帽。
無人島パート中、もちろん役者は彼一人な訳だけど、一人きりの演技で1時間以上ある中で間延びさせず各シーンきっちり成立させられる人って実際本当に少ないと思う。
表情とか背中で語る場面も多くて、セリフがあろうがなかろうがひたすら感情移入してしまってずっと引き込まれてた。改めて彼が俳優として評価されている理由がわかる。
生還パートでは、主人公の恋人が別の伴侶と家庭を築いてしまっていたことが判明するけど、この事実が自分には一番残酷で、辛かった。
なんなら、無人島での壮絶な4年間よりもよっぽど辛いんじゃないかとすら思えた。
主人公はもちろん、恋人の立場を考えてもかなり辛い。
どちらが悪い訳でもなく、責める相手すらいなくて、本当にやるせなくて、運命と言うにはあまりに残酷、、。
途中、恋人が主人公を選びそうになった時、彼の苦労をずっと見守って来たこちら側からすると正直ホッとする気持ちもあったけど、家族の元に帰るよう諭した主人公の決断には、心底泣いた。
凄く誠実な人で、きっと本気で愛していたからこそ、あの判断なんだろうね、、
(子供がいなかったら何としてでも復縁してたよなぁ、、!とは思っちゃうけど)
正直私だったら自ら命を絶ってもおかしくないぞ、、とも思う反面、主人公は何故か最後の最後まで前向きで、そんな運命すら乗り越えて新たな人生を生きていく決意をする。
この生命力というか、根拠なき自信というか、未来への活力というか、希望を捨てない心、直向きさが、本当凄いよなぁ、、
生きることに理由なんて要らないとは良く言うけど、実際自分には全て欠けている要素だなぁと思った 笑笑
結末は切ないけど、不思議と凄くポジティブな気持ちになれるし、主人公の強さにパワーを貰える作品だった。
どんなに辛くても、生きてさえいれば何が起こるかわからないし、挑戦しなければ何も生み出せないというありがちだけど人生の真理みたいなことを身を持って教えて貰えた気がした。
やぁま

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