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予期せぬ出来事のodyssのレビュー・感想・評価

予期せぬ出来事(1963年製作の映画)
3.0
【マギー・スミスがいい】

BSにて。
グランドホテル形式と称される群像劇。

ロンドンから飛行機でアメリカに向かおうとした何組かが、霧のため飛行機が発進できずホテルで一夜を過ごすことに・・・という設定での人間ドラマ。

4組の男女(1組は老公爵夫人ひとりだけ)が登場するのですが、均等に場面が割り振られているのではなく、エリザベス・テイラー演じる人妻が夫(リチャード・バートン)を捨てて他の男(ルイ・ジュールダン)と駆け落ちしようとしているという設定がいちばん時間をとっています。

その次が、金策に追いつめられた若社長(ロッド・テイラー)と、彼を密かにしたっている秘書(マギー・スミス)の組。

あと、映画プロデューサー(オーソン・ウエルズ)と若い女優、それに老公爵夫人が出てきますが、この2組はまあオマケですね。

しかし中心になるはずの人妻の心理がなんとも頼りなく、こんなどっちつかずの女は捨てちまえ!と言いたくなっちゃう。

これに比べると社長秘書を演じるマギー・スミスは美人ではないけれど、いい役ですね。彼女のおかげで何とかこの映画は持っています。

美人であるというだけのエリザベス・テイラーの出番を少なめにして、他の組の出番を多くし脚本を練っていたら、もう少しいい作品になっただろうと惜しまれます。

VIPたちの世話をする空港関係者の右往左往ぶりが、ちょっと印象的かな。
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