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ボディドロップアスファルトのUnrelatedのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

作品の解説にて、
「クロアチアのスプリトで開催された国際新作映画祭に受賞した理由として、深刻さを秘めた自分自身へと言及する典型的なビデオによる表現と、空想的でキッチュな表現やポップな歌が並置されていることなどが挙げられる。」

【感想】
ボリュームたっぷりかつ個性丸出し映画。
現実世界での真中エリは他人の言葉や考えに翻弄されやすい(環境に左右されやすい)かつ読者(すなわち自分以外の人間)の同情を気にしすぎてなかなか自分の個性を表に出せないといった特徴がある。そのため星野の言葉「恋愛しても結婚しても離婚してもいつか必ず死ぬ。幻想にしかすぎない。」について考え自分の妄想にある情報が溢れすぎた結果、自分の書きたいものと他人の言葉から感銘を受けて書いたものが小説の中で混在し、それは小説家として良くないよと小説の中の人物(理想のエリ)に言われてしまう。といった感じだと思う。
あるいは恋愛や結婚に憧れを抱く真中エリだが、化粧したりしても何もうまく行かない自分について必要以上に考えてしまうといったことから、結婚したら夫が浮気性かつ三千万円の借金を抱えている、しかも子供が生まれるのに妻のことを置き去りにしてどっか行くぐらいのクズ野郎で、いつから夫は変わってしまったのだろう…といった感じで、結婚したら夫がクズに変化し最悪な関係になる可能性はゼロではないと考え、「結婚しなくてもいいや別に」という考えに無理矢理でも変えようとしたとも考えられて面白い。最後の「そういうのやめよ。」っていう真中エリの言葉からそう思った。妄想ばかりするのはやめようという気持ちによる言葉かもしれないけど。

【印象に残った】
・テレビドラマ的な表現(例:考えるとそれと同じことが起こる世界から現実に戻ったとき)で、なぜか分からないけど「天才てれびくん」とか「ビットワールド」を思い出した。
・丸山について。丸山が24時間テレビのシャツを着ながら双眼鏡を持っている時点で個性丸出しで色々気になるのだが、それ以上に真中エリとの会話が気になる。
例1:丸山が知っている場所として初台の吉野家を挙げ、それがどこにあるのかを真中エリに説明するくだりにて、なぜ初台の吉野家にそんな拘るのかと疑問に思った。別に初台駅でいいじゃねえかよってね。たぶん真中エリとたくさんの時間会話したかったんだと思う。
例2:何処かも分からない場所で再び真中エリに会ったときの会話にて、丸山が「Don't come here.」って言ったときに真中エリが「やっぱ外国人じゃん」って言ってて確実ではないだろとか思った。あのタイミングで英語しゃべるんだからちょっと分かるけども。あとなぜあのタイミングで英語しゃべったのかよく分からない。
・「恋愛しても結婚しても離婚してもいつか必ず死ぬ。幻想にしかすぎない」という言葉を引き出すためか分からないけど真中エリが好き!って言ったあと星野が突然妻の行方について話してて話の進めかたがちょっと強引だなって思った。
・個人的に丸山に嘘をつかれたと思った真中エリが「嘘をつかない人はいない」と考えているところ好き。

【まとめ】
話の内容自体は好み。またあの演出は監督の個性なのでまだしも、話の進め方が強引な部分が少しあるのは個人的に受け入れがたい。
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