あなごちゃん

極私的エロス 恋歌1974のあなごちゃんのレビュー・感想・評価

極私的エロス 恋歌1974(1974年製作の映画)
4.5
【映画】
世界初のハメ撮りシーンと無修正の出産シーンで有名な映画。別れた妻に未練があるために、妻を映画の被写体として撮ることで関係を保とうとする。。

【1妻に対して】
芯があるようなセリフを吐きながら、気分次第で一貫性がない。「黒人のガキが欲しい」といいながらいざ出来ると「殺すわけにもいかないし」なんて失言する。この人は人生に責任を取りたくないんだ、と最後に私は思った。
彼女の「強さへの憧れ」は「可愛いに対する嫌悪」に裏付かれており、それは学生運動渦中の女性像と重なるところがある。

【2カメラについて】
「ゆきゆきて、神軍」のテーマであるカメラの加害性の萌芽が見受けられる。妻の狂気はカメラが回っていることによって肯定され、妻は自分の過ちを見失っている。無修正出産においても、産まれたての赤ん坊へ救助をしないでカメラとマイクを回し続ける監督らの狂気。