がちゃん

冒険者カミカゼのがちゃんのレビュー・感想・評価

冒険者カミカゼ(1981年製作の映画)
3.8
これは面白いですよ。
『冒険者たち』を観て、いつかこんな作品が作れたらいいなあと長年考えていた千葉真一が、助演に真田広之、ヒロイン秋吉久美子を迎えて、『冒険者たち』のような、男二人女一人のロマンスアドベンチャーを満を持して作り上げました。

千葉真一らの活動精神が爆発で、吹き替えなしの真田、千葉のスタントシーンが出色。
走っている車の底に張り付いての追跡劇など、
ジャッキー・チェンも顔負けである。

金満大学の総務の仕事をクビになった千葉真一。
裏口入学がばれて退学になった真田広之。

二人は違う立場で、
それぞれ大学の入学金7億円の強奪計画を練る。

千葉真一は尾藤イサオとコンビを組み、
真田広之らを出し抜いて強奪に成功。

しかし、金のことをうっかり組織の人間に、仲間のあべ静江がしゃべってしまったことから、強奪した金を組織に奪われ、尾藤イサオとあべ静江は殺されてしまう。

昨日の敵は今日の友。
千葉真一は真田広之を誘い、
組織から金を奪い返そうとするのだが・・・

その二人の間で、
秋吉久美子がいい味を出している。
陸、海、空とそれぞれまやかしなしの見せ場を作り、『明日に向かって撃て』や『スケアクロウ』、そしてもちろん『冒険者たち』などへのオマージュが捧げられているのだから、うれしいではないか!

クライマックスの軍艦島。
まさにボリビアで追い込まれたブッチとサンダンス。
『明日に向かって撃て』のあのシーンを必ず連想するはず。

千葉真一が表に出すぎないのがいい。
彼は普通の人間で、過去にオリンピックに出場していたので、
人並みよりは体力がある設定。
コメディリリーフ役も請け負っている。

真田広之の、
少々ぎこちなく見える演技もいい。
アクションシーンでは、さすがのキレをみせる。

ただ勇ましいだけのアクション映画が多い日本作品において、
憂いと哀愁があるのもこの作品の特徴。
日本でもこんな作品が作れるんだ。

ラストのハッピーエンドには、
少し首をかしげたくなったが、
ここまでできたら合格でしょう。

ごちそうさまでした。
がちゃん

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