時代劇の佳品です。
1962年の仲代達矢主演の『切腹』のリメイクだとか。
市川海老蔵が刀を使わずに、バッタバッタとなぎ倒すクライマックスがとにかくかっこ良かったです。
江戸時代初期の太平の世、つかえていた大名家が取り潰しに合い、浪人となる武士が多数出たといいます。
良くも悪くも世の中がおさまっていくなか、戦国時代の美風が歪んだ価値観にすり変わりつつある時代、
市川海老蔵扮する侍が武士道を貫く姿を、ドラマチックに描いています。
主人公が井伊家の門を叩き、屋敷内で切腹を願い出る。
ちまたでは、狂言切腹が流行っており、食いっぱぐれた浪人が大名屋敷に切腹を願い出る例がしばしばあった由。
大名としては、訳の分からない人物の切腹を邸内でされても後始末に困るので、何がしかの金を与えて追い返すことが通例となっている。
所謂カタリ。
ところが、井伊家では狂言切腹に来た侍に本当に切腹させていた。
それを承知の市川海老蔵。
さて、なぜわざわざ主人公はここへ来たのか。
生きて帰れないこともわかっているのに。
海老蔵は、自分の身の上話を始める…
『一命』がインパクトあったので、後日に仲代達矢の『切腹』も配信で観てみました。
Filmarksでは、『一命』の評価は、全体を通じてるといまいちでしたが、『切腹』と比較しても甲乙つけ難かったです。
市川海老蔵、スキャンダルに塗れて、この作品も減点されちゃったのかな。
ぜひ見比べてみてください。
