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クローズド・ノートのtakerattaのネタバレレビュー・内容・結末

クローズド・ノート(2007年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

美しくも儚いラブストーリー。

行定勲 監督作品(2007)

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故 灰谷健二郎と聴いて、太陽の子か!と。

絶筆をしても教師として、差別問題の厳しさに
筆をとり、世間に叩かれても屈しない凛々しさは
きっと、「心の力」に通ずるものがあるのかも知れない。
(詳細は「八尾中学校事件」をお調べ下さい。)

当時はまだ、私も産まれていないが、
全国水平社、後の部落解放同盟による、部落解放運動、被差別民を失くすための平等教育。

知らない人は、寝た虎の子の尾を踏まぬ方が良いより、知るべきを知り、差別しない在り方を問われる世界。

私は公民の授業で学び、運動会の駆けっこのリレーがある年から、
部落対抗リレーから、地区対抗リレーに変わった事で、平等教育を
その当時居た地域が、終えた事を知った、薄らとした記憶がある。

ネットでも過去を掘り起こしてる輩は居るが、
相手にしない。

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シーンは若い女性教員の目線で描かれる。

文は人なり。ではないが、読む事で、時空を超え、私達はその人の人生を追体験する事ができる。

演者と制作側、ロールによる垣根が有るがチームを組んで仕事をする上で、
一期一会もある。

いつだったか、そう、この映画の制作発表。
話題となってしまった「別に。」

時の人ともなり、それ以前に元旦那となった、
クリエーターと知人でもあったため、
心苦しくも、

今となっては、会えなくとも
強くそれぞれに生きて欲しいと思うと
涙がこぼれそうになる。

役を外れて、演者でなく、一私人としては、

教師役は、自死で天に召され、

ノートを手にしたその部屋の女学生役も
画家役も、薬物所持で逮捕。
後に、女学生役は、芸能界引退となり空席が一つ。

会派を連ねていた頭領を失った世界は、
転がるように、人が散じていった。

地上波ではもう見る事が難しそうな作品だが、
原作や役柄に罪は無い。
子役達にも罪は無い。

死を以て現世と分かちてしまった、名俳優の
在りし日の姿に再び胸を打たれた。

思い返して欲しい。

子供時代の学校で、クラスに一人くらい、
不登校児やいじめられっ子がいた事を。

陰で付けられたあだなが、渡米くんとか
海外に逃げることしか、生きる道が無かった奴も
同じクラスだった事を。

同じ時代を同じ空の下で共にギクシャクしながらも、いびつな現代を生きてきた事を。

この作品の優れたところは、厳しくも、ノートの続きが無いという、永遠性。

one and only である、私たちの人生を
炙り出している点。

歳も取れば、亡くなる仲間もいるかも知れない。
季節外れな秋に、墓参も良いかもしれない。

私も、学寮に戻る渡航前に、会っておかねばならぬ人に、逢いに行ってこようと思う。

本当の死だったかは、本作を観て?!
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