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戦艦ポチョムキンのkayupanのネタバレレビュー・内容・結末

戦艦ポチョムキン(1925年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

エイゼンシュテインの無声映画。ロシア革命期の戦艦で水兵らの反乱が起こる。共産主義的発想の自由を盛り立てる映像が主で、オデッサの階段における、子どもを含む民衆弾圧の残虐なシーンはこの映画を強く印象づける。様々な撮影の技巧があるように見受けられるが(彼のモンタージュは、ソシュール構造主義の影響を受け、台本の言語的要素を映像に置き換えて編集していく手法らしい)、特に乳母車が落ちる場面は多くのパロディを生み出したそうだ。全編モノクロの作中で唯一、戦艦が揚げる旗が真っ赤なのもプロパガンダ的な特徴を示している。無声であるがゆえの時間と解釈のズレ、いわば言語と映像の間で想像する自由が生じる余地が、今では貴重な特性を帯びている。
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