kissenger800

ティファニーで朝食をのkissenger800のレビュー・感想・評価

ティファニーで朝食を(1961年製作の映画)
-
とあるネットの炎上物件を眺めていて、君ら全員映画見とらんだろ。の思いがどうにも強くなったのでnoteにエントリ上げたんですが(書いたらスッキリした)おかげでだいぶん感想がまとまりました。

・映画を見たうえでユニオシ氏に言及しないでいられるのが個人的にはありえないんですけど……いや、ヘップバーンが素敵なのはもちろんですけど、同じぐらいの衝撃を受けませんかね?
・日本人というよりアジア蔑視の社会的背景があったからこそのイエローフェイスなわけで、劇中のユニオシ氏って主役女子への対比としてわかりやすく機能しているんですよ。ユニオシ氏が「アメリカ社会におけるよそものとしてのアジア」なら主役女子は「男性優位社会において劣後する存在としての女性」。つまり、ただのコミックリリーフじゃないんだから既読スルーやめてあげて
・あとねえ、主人公を「娼婦」って説明してしまうのは怠慢だと思うんです。だって、そこ物語の主題じゃん? 彼女がどういう存在なのかがよく分からなかった、という感想を持つひとが多い状況が示す通り、はっきりとした説明はないまでも、21世紀日本の社会に根付いた語彙でいうところのパパ活女子ですよ、ホリー。体を売ることが商いなわけではなく、あくまで「流れでそうなることもある」。それを売買春というのだ、って言うひともいればそうじゃないっていうひともいる、みたいな極めて今日的な設定
・一方でハリウッドが求めるヘテロセクシュアルなハッピーエンドが原作者たるカポーティからすれば馬鹿げたものに見えたであろうことは想像に難くなく、50年という距離を堪能できる作品でもあり

……とかなんとか書いてはみたけど、今回見直してはいないっていうオチ。ティファニーのポジションは50年でずいぶん下落したけど、大きな傷を持つこの作品の持つ意義はあまり目減りしていないように思えるところ、クリエイティブ万歳ってことですかね(そんなまとめ)。

cf. 『ティファニーで朝食を』(1961)を見直さず記憶だけで何か言う
https://note.com/kissenger800/n/nbd9536efed5c
kissenger800

kissenger800