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ティファニーで朝食をの47のネタバレレビュー・内容・結末

ティファニーで朝食を(1961年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

お人形のようなオードリー・ヘプバーンがその顔に喜怒哀楽の色を乗せ、天真爛漫・純粋無垢に表情をくるくる変えていくさまを見ているだけでため息が出る。
この映画の代名詞である黒いドレスも素晴らしく美しく似合っている。
内容としては思ったよりも猫に厳しい映画でビックリした。猫のいる部屋で遠慮容赦なく物を壊しながら暴れ散らしたり、あまつさえ雨の降りしきる中外に追い出したりと、このへんも含めて今はもう撮れない映画だろう。万引きのくだりとか。
また、日本人役が出ていたことにも驚かされた。役柄としては……うーん。まあなんかわからんでもないのだが。
正直ホリーの自由奔放さと、この時代の価値観とが擦り合っておらず納得がいかない部分は多々あるし(人生は誰かのものになるしかないだとか……)ポールと結ばれたところで幸せに過ごせるかどうかはかなり危ういのだが、しかし二人がくっついたこと自体は祝福できる不思議な関係。
お互い金持ちの異性に援助されているあたり、シンパシーもあったのだろうか。
ホリーのめちゃくちゃかつ男を振り回すような部分は、兄のためであるところに起因しているのかと思ったら後半の展開を見るに天性のものでもあったようだ。
ポールが最初から彼女を「怯えている」と捉えていたように、彼女は兄以外の人のものになることが怖かったのかもしれない。
後半の二人の迷惑バカップルとしか言いようのないはしゃぎっぷりは可愛かったのだが、マジで万引きをする(そしてそれがおそらくお遊びの範疇として描かれている)のには驚いた。さすがに時代柄だろうか。
とにかくオードリー・ヘプバーンが美しい映画。
いろいろ引っ掛かるところはあれど、彼女の魔性を存分に堪能できる作品の一つであることには間違いない。
面白かった。
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