a

ティファニーで朝食をのaのレビュー・感想・評価

ティファニーで朝食を(1961年製作の映画)
5.0
ホリーの天真爛漫な姿は、理想の女性像として私の人生にこれからも寄り添う。
ホリーは卑怯な女だ。器量が良い上に素直で、嫌味がない。適材適所に泣いてみせるし、甘えたと思えば突き放してみたり、そして何より美しくあることを生活の一部にしている。娼婦設定の主人公にオードリーは似つかわしくないが、マリリンモンローがオファーを引き受けていたら私はこれほどまでこの作品に心酔しなかっただろうな。冒頭が大好き。ラストも大好き。お気に入りのシーンはアパートのポストの、チャチな鏡で口紅をぐりぐり塗るシーン。

ムーンリバーを聞くと、早朝のティファニーの前でクロワッサンを齧るホリーの姿が頭に浮かぶ。ホリーのみせる強さと弱さの間で、沢山の人が翻弄させられる、そんな作品。ホリーの消えてしまいそうな危うさ、線ひとつでなんとか持ち堪えているような儚さ、どうか守りたいと願わずにはいられない。
a

a