雨宮はな

ティファニーで朝食をの雨宮はなのレビュー・感想・評価

ティファニーで朝食を(1961年製作の映画)
4.0
めちゃくちゃだけど、放っておけない。突拍子もないけど、軸がある。そんなヒロイン、ホリー・ゴライトリー。

原作小説が世に出たときに「ホリーは私のこと」とのたまった女性が数多くいたらしいが、それはホリーに失礼だ。ホリーは男の脳内でしか誕生し得ない空想の女性そのものだし、だからこそ魅力的なのだ。この映画でホリーが女性にとっても魅力的に見えるのは、ひとえにオードリー・ヘップバーンの力によるものに過ぎない。

たまにホリーが言う尤もらしい台詞はいくつもあるが、聞く人の置かれた立場によってとりわけ光るものが変わってくる。自分が今現在何に意識があるのかの羅針盤のようなものだ。

「ティファニーで朝食を」とるのが予想以上に少なくあっさり終わってしまうことに驚いた人は多いと思う。
雨宮はな

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