つれづれなるレビュアー

ブルーバレンタインのつれづれなるレビュアーのネタバレレビュー・内容・結末

ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

※【注意】この映画は見るために膨大なパワーを必要とします。
結婚前の方々のみカップルでの視聴をおすすめします。

あらすじとしては、ある一家の崩壊寸前のキワキワの部分から完全に崩壊してしまうまでを描く。

監督はこの映画を撮るために監督になった変態(褒めてます)監督。

この家族は確かにあまり上手くいっていない。
でもなんとか夫妻がお互いに相手の欠点を分かっているから、家庭の崩壊を防げている。
そしてふたりとも一人娘を愛している。

ただ、不吉な出来事からゆっくり、ゆっくり家庭が不可逆的な崩壊の方向に向かっていく。

この映画のために体重を増やし、髪を抜き、子役と三人で同居までした夫妻役の二人の役者魂を感じる。

彼らの馴れ初めと今の対比があまりに残酷で、むごい。
同じセリフを言っても、同じことをしても昔と今ではあまりにふたりの間に流れる空気が違う。
圧巻なのは、ホテルでコトに及ぶときの奥さん役の「さっさと終わらせてよ」感。あんなの見せられて行為を続けられる男はまずいないと思う。

自分の人生から主に子どもの視点で映画を見た。
おそらく、死ぬまであの娘はクライマックスの去っていく父親の姿を忘れないだろう。

おそらく見る人によって様々な視点があり、見終わった後、まず疲れを取ってから感想を語りたくなる。

そんな映画です。