ナナシ774

ブルーバレンタインのナナシ774のネタバレレビュー・内容・結末

ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

男は過去、女は現在
に目を向けていた様な気がします。
この映画の夫婦は。

まずは過去編から
旦那さんは自分の子供でないのに結婚する決意をし、しかも奥さんの元カレに殴られても、怒りもしない。
奥さんは育った家庭が上手くいってないとはいえ(それは旦那さんも同じです。)男関係が派手で大して好きでもない男の子供を宿し、中絶も出来ず、結局(もちろん好きではあったが)旦那さんに頼り結婚する。

おそらくこの経緯があったから、旦那さんに同情してしまうし、実際見終わった直後(病院に乗り込んできたことは除き)そんなに旦那さん悪いかな?と思ってしまいました。

しかし現在の方になると
旦那さんは仕事はしてるものの、朝からお酒を飲み、みなさんの感想で気づきましたが家事も送り迎えも忙しい奥さんにまかせっきり。これはダメですね。
奥さんは旦那さんよりも忙しく看護師として働き、しかも家事もやり、一生懸命です。

結局2人は別れてしまうのですが、こういう結末になってしまったのは、映画で描かれていない結婚後の日々の積み重ねで奥さんが嫌になってしまったのでしょう。映画ではその別れる決定打の日々が描かれています。
ですが、そんな旦那さんも旦那さんなりの考えはあり、仕事より家庭を優先したり(家事はしないけど)なんとか関係を改善しようとしてホテルに誘ったりしています。ただそれが奥さんと合わなかっただけで…。

そう、だからみなさんのおっしゃる通り、どちらが悪いわけではなく、お互いを尊重し合わせようとしなかった。これに尽きると思います。
結婚した時に、もう少しお互いの考えに歩み寄ることができたら、ふたりは上手くいっていたかもしれません。

この映画の印象的だったところは
あえてカメラをブレさせて映す演出
旦那さんが指輪を投げるがまた探すところ
ラストの花火とそこに流れてくる音楽

驚いたところは現在と過去の夫婦の見た目
とくに奥さんのミシェル・ウィリアムズ
「本当に同じ人!?」と思うぐらい過去はかわいく現在は疲れきった姿を見せ役者ってすごいなぁと感心してしまいました。

レボリューショナリーロードと並ぶ結婚について考えさせられる映画である本作。
あちらよりこちらの方が
リアリティがあり、悲惨ではなく、キラキラした部分(過去)が見れたかな。
今作が好きな人、もっと激しい罵りあいが見たい人、結婚についてもっと考えたい人はそちらもおすすめです!