今の私が自転車を盗まれたとしても、こんなに探さないしこんなに絶望しない。
こんなに怒ったりしないし、こんなに苛立ったりしない。
けれど1940年代の敗戦後のイタリア。やっと手にしたポスター張りの仕事も自転車がないと職を失う。
妻と子供と生まれたばかりの赤ちゃんがいる。
盗まれた自転車を探す。
ただそれだけのストーリーなのに奥深くいろいろ考えさせられる。
そして重いラストシーン。
やりきれない気持ちでエンドロールを見つめてしまった。
誰もが今日生きるのに精一杯で必死で。
そんな中であのインチキ占い師は何?でもそれにすがってなけなしのお金を払う主人公。
レストランでの息子との食事。
人生ってきっとこうなんだな…