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自転車泥棒のkatomのレビュー・感想・評価

自転車泥棒(1948年製作の映画)
4.5
ジム・ジャームッシュは「ストレンジャー・ザン・パラダイス」について『小津と『ザ・ハネムーナーズ』に憑かれた東欧映画監督スタイルのネオレアリズモ風ブラックコメディ』とコメントしているらしい。

ネオレアリズモ風とはなんぞや、ということでネオレアリズモ風映画の代表作らしい本作を観てみた。

本作は冒頭からラストにかけて徹底的な人間不信と不条理さ、神への不信感を観客に植え付け主人公を奈落の底に突き落とした後で主人公に天からの柔らかな光を与え、救いの手をさしのべる。主人公は罪を犯してしまったけど警察に捕まらずに済んだ。ここまでは、神の尊さをほんの少しばかり感じる。「神ありがたいわ」って思ったりする。まるで作中に出てくる占い師なり神の信者のようだ。人間ってそうやって信仰にすがるようになるんだろうなと気付かされる。
だがその後のラストシーンからまた一転。主人公はほんの少しくらい救われたくらいじゃカバーしきれないほどの不幸に苛まれていることがひしひしと伝わってくる。彼にとってもはや神の救いは無意味だ。
要するに本作の正体は信仰に対するブラックコメディなんだろう。

手厳しいなあ🤒

ネオレアリズモってそういう感じのジャンルなんかな🤔
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