モンゴル映画って、たぶん初めて観た。
正直、モンゴル映画って聞いて、大パノラマの絶景ばかり想像してた。もちろん緑の絶景はあったし、それはもうWindowsの初期壁紙みたいにすごかったのだけど(例え最悪だな)、意外にもそれが大きな魅力には感じなかった。「美しく観せよう!」っていう露骨な作為がなかったからかな。ありのまま、そのまま映してる感じ。
それよりも魅力的だったのは、さりげなく映されるモンゴル族の生活。
土着した本物の家畜と、ゲルの生活。あの硬そうな食べ物なんだろう。白濁の風呂は牛乳か山羊乳風呂?お酒は各家で作ってるのね。モンゴル族にとって狼は神聖だから、家畜を襲っても殺さないのか。狼を縄で捕まえて引き回す映像、すごいな、貴重なもの観た。酒を飲む前にピッピッてするルーティーン、バックボーンは知らないのになんかとても伝わる!ほんで乗馬、すごすぎ!「乗馬」って言葉が生ぬるいくらい!馬に乗ってフレームイン、馬を止めて降りるっていう一連の動きだけで、見惚れる。子供も乗る。すげえ乗る。ちょっと信じられんくらい速い!
やっぱり、知らない文化っておもしろいな。物語が「町の子供」の虎子の目線で綴られるからか、モンゴル族の文化と生き方は、すごく眩しかった。景色よりも、美しかった。
監督はほんまのモンゴル族のご夫婦なのね。シンプルで緩やかな家族の物語だったけど、とても味わい深かったのは、文化と民族に対する、誇りとリスペクトがあったからかな。
(…しかしこの雄大なテンポが眠気と退屈を誘うんだよなあ…。大人になった虎子くんがモノローグで適宜解説してくれるから思考は止まるし、心が跳ねるような刺激もないので…)