香港

こうのとり、たちずさんでの香港のレビュー・感想・評価

こうのとり、たちずさんで(1991年製作の映画)
4.7
前々作『蜂の旅人』も素晴らしい作品だけど、この作品におけるマストロヤンニの素晴らしさはそれを遥かに上回っていると思う。

この作品におけるアンゲロプロスのシグネチャー(ロングショット、大人数の動きと構図etc…)はマストロヤンニという俳優を媒介として、途方もなく際立って素晴らしい。川を挟んだ結婚式のシーンの美しさと物悲しさと圧力たるや。

ここにあるのは何かを撮影するという芸術活動の批評であり、その有用さと美しさへの圧倒的な信頼と確信に満ちている。そこが何よりも胸を打つのである。
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